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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

うちは精肉店

うちは精肉店

うちは精肉店

対象 小学校中学年以上

概要

大阪市にある小さな屠殺場の最後の日のドキュメント。

牛を殺して、肉にするまでを写真で追う。

感想

「ぶたにく」など屠殺の本は少しずつではあるが出ている。

この本では、特に生業としての屠殺に焦点が当たっている。

家族経営の精肉店で、一家総出で作業をする様子、小学生でもお手伝いで袋詰め作業に加わったり、「家業」としての屠殺である事が何度か強調される。それだけに、写真に出ていたような屠殺場が、もっと大規模な機械的なものに置き換わっているのだというような背景はややわかりにくくなっている。

ここに映されているのは失われつつある、古き良き時代の屠殺風景であり、家族の風景であると言える。

現代の、最新の屠殺、最新の家族の風景とはおそらく遠いところにある。それがよいのか、悪いのか。