児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

家出の日

 

家出の日

家出の日

 

 

ケンカする両親に耐え切れなくなって、家出をすることにしたジェイソン。兄が住む街に向かおうとして列車に乗ると「家出屋」と名乗るジャムという男の子とであった。巧みに車掌を出し抜き、列車をねじろにして暮らしているというジャム。車内を歩きながら、小さな男の子をさして「あの子も家出屋」と、教えてくれ、意外に家出屋は多いのだというが・・・。ドキドキの家出体験と、どんでん返しの結末が何とも言えない。この作家注目!

ちなみに駅で暮らす、というと池澤夏樹の「キップをなくして」を連想する。

 

キップをなくして

キップをなくして

 

 さらに類書には「地下鉄少年スレイク」もある。サバイバルものとして出色なのは「地下鉄少年」が一番だろう。乗客が捨てた古新聞を集めて売って自活するスレイク君には、とても心ときめいた。ちょっとファンタジー系でほのぼのの「キップをなくして」より個人的にはこちら。どうやら、駅や電車にはそこから出ないで暮らす、という妄想をはぐくみやすいらしい。 

地下鉄少年スレイク  121日の小さな冒険

地下鉄少年スレイク 121日の小さな冒険