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シーラス 遺書(シーラスシリーズ12)

 

シーラス 遺書―シーラスシリーズ〈12〉 (児童図書館・文学の部屋)

シーラス 遺書―シーラスシリーズ〈12〉 (児童図書館・文学の部屋)

 

 メリッサが雇われていた商店の持ち主、エネヴェルヴェル未亡人がなくなった。直後から、彼女の形式的な夫マチアス・タンは不審な行動をとり始める。未亡人の養女ユリーヌとメリッサの両方にプロポーズを始めたのだ。ユリーヌは、自分の立場を守るためにもきちんとした葬儀を行おうと意外な行動力を見せ始める。マチアス・タンの行動の理由は、遺言書が公開されて判明した。夫人は、ユリーヌを相続者、メリッサを経営責任者に指名したのだ。だが、失意のマチアスを見る中、メリッサは自分が愛していたのは彼であることを悟り、シーラスに別れを告げる。商人になることしか頭にないメリッサとシーラスは結婚はできないと冷静に判断するのだ。失意のうちにさろうとするシーラスを、まさか!の展開でユリーヌが追いかけてくる。自由を求める16歳のユリーヌに押し切られるように二人は旅立つ。