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かぐやのかご 2015 課題図書 小学校中学年

 

かぐやのかご (こころのつばさシリーズ)

かぐやのかご (こころのつばさシリーズ)

 

 主人公は清香9歳。悔しくて大声で泣きながら竹藪の道を歩いていると、細い竹をとっているおばあさんに出会う。おばあさんにたのまれ、竹を持つのを手伝ったお礼に、竹を編むところをみせてもらった。清香は、ずっと竹をとっていたというおばあさんに、思わず光る竹をとったことがあるかと聞くと、なんと、1回だけあったと答えてくれる。だが、そこにじ学校で清香をからかった男の子たちがやってきた。実は近くの席の春奈がオナラをしたしまったのを、男の子たちに清香のせいにしたのだ。転校生でかわいくもない清香はいじめるのに手頃とみなされたに違いない。「へこき虫」とからかってきた男の子におばあさんは、自分の屁をあびせかけ、おまえたちだってへをこくだろうとしかりつける。男の子が逃げた後、おばあさんは、むかしお姫様について、不始末があれば自分がやったという「とがおい」という女性がいた話をしてくれた。人にとがをなすりつけるより、自分が負う方がよいと教えてくれる。おばあさんは、仲良くなった印にたけがごをくれ、清香は「かぐやのかご」と名付けることにする。
以上、読みやすいが、男の子が追いかけてまでいじめようとして、他にも人がいるところであからさまにいやがらせする? など、微妙に不自然。光る竹は、「蛹のよう」なものが見えたというので、意外とリアリティとファンタジーがあってよかったが、なんとなく言いたいテーマがあって、それに向けて物語をつくったようで道徳の教科書風。でも、そういうのが感想文書きやすいんでしょう。