児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の妖精フローリー

夜の妖精 フローリー 作者:ローラ・エイミー・シュリッツ,日当陽子,さとうゆうすけ 学研プラス Amazon 夜の妖精として生まれたフローリーは、こうもりに蛾と間違えて襲われたために、羽が破けて飛べなくなってしまった。しかも落ちたのは巨人(人間)の庭。…

ボンジュール,トゥール

ボンジュール,トゥール 作者:ハン・ユンソブ 影書房 Amazon 父の仕事の関係でパリからトゥールに引っ越した12歳の韓国人の男の子ボンジュ。家具付きのアパートの部屋で机の側面に薄い文字で書いてあった言葉はハングルで「愛するわが祖国、愛するわが家族」…

オバケに時間をぬすまれる!?(ホオズキくんのオバケ事件簿4)

オバケに時間をぬすまれる!? (ホオズキくんのオバケ事件簿 4) 作者:富安 陽子 ポプラ社 Amazon 4年1組オバケ探偵団のチラシをおマツがまいたせいで、隣の2組の優等生オサムからの依頼が舞い込んできた。オサムの時間が盗まれてしまうというのだ。鬼灯京十…

いえすみねずみ

いえすみねずみ 作者:ジョン・バーニンガム ビーエル出版 Amazon 人間の家族の家に、ねずみも住んでいた。でも、ねずみをみつけたことを言ったらおとうさんがさっそくねずみ退治の業者に電話をかけてしまった! 心配したこどもたちは、ねずみに逃げるように…

アドニスの声が聞こえる

アドニスの声が聞こえる 作者:フィル・アール 小学館 Amazon 子どもたちが田舎に疎開する中でロンドンに到着したジョーゼフ。母は、彼がもの心着く前に家をでてしまい、父は徴兵されて第2次世界大戦の戦場に送り出された。祖母はジョーゼフが手に負えなくな…

ラビットホッピング

ラビットホッピング! うさぎがぼくのパートナー! ? 作者:マーリン・エリクソン 理論社 Amazon アルヴィンの小さな妹リーブは、重い病気だ。急に入院が必要になり、アルヴィンは、突然おじいちゃんといとこのいる家にあずけられることになった。親友のローが…

あくたれラルフおなかをこわす

あくたれラルフ おなかをこわす (こころのかいだんシリーズ) 作者:ジャック・ガントス 大日本図書 Amazon 例によってあくたれ猫のラルフは、セイラが作ってくれた野菜が多い健康的な晩御飯が気に入りません。夜中に家を抜け出してゴミ箱をあさりますが、腐っ…

私立探検家学園6 火蜥蜴の見た夢 

私立探検家学園6 火蜥蜴の見た夢 (福音館創作童話シリーズ) 作者:斉藤 倫 株式会社 福音館書店 Amazon シャーロック・ホームズを探すミッションを抱えてロンドンについた各班。コロン以外の班もそれぞれ動き出していた。ニコラ率いる二班は、ベーカー街直行…

6day遭難者たち

6days 遭難者たち 作者:安田夏菜 講談社 Amazon 高校に入り登山部に入った美玖は、失望して夏休み前に退部した。体力はあるが、地図を読んだり、天気図を描いたり、救急法を習ったりという勉強に嫌気が刺したのだ。死んでしまったおじいちゃんと一緒に…

戦争の冬

戦争の冬 (現代の創作児童文学 17) 作者:ヤン・テルラウ 岩崎書店 Amazon ナチスが支配下となったオランダの村。16歳のミヒールは隣家のデユルクが逮捕された後、託された手紙を渡す予定の男もつかまったため、手紙を開封。イギリス人の負傷兵士の存在を知り…

ペンツベルクの夜

ペンツベルクの夜 作者:キルステン・ボイエ 静山社 Amazon 第2次世界大戦末期の実話をもとにしたフィクション。ドイツの敗戦が濃厚になる中、ヒトラーは焦土作戦を命じていた。敵国に渡さないために、重要な施設の破壊を命じた。ペンツベルクは炭鉱の町で、…

この銃弾を忘れない

この銃弾を忘れない 作者:マイテ・カランサ 徳間書店 Amazon 内戦下のスペイン。炭鉱労働者だった父が、ファシストに対抗して共和国側の戦いに身を投じて行方不明になり2年がたっていた。13歳のミゲルは進学したかったが、暮らしをささえるために牛追いの仕…

オマルとハッサン 4歳で難民となったぼくと弟の15年

オマルとハッサン: 4歳で難民になったぼくと弟の15年 作者:ヴィクトリア・ジェミスン,イマン・ゲディ 合同出版 Amazon コマ割りのグラフィックノベル。ソマリアから逃げ、ケニアの難民キャンプに4歳でたどり着いたオマルは、弟と二人で、里親になってくれた…

火城 燃える町1938

火城 燃える町~1938 (日・中・韓 平和絵本) 作者:蔡 皋 童心社 Amazon 古くからの町の中で、たくさん井戸や川、路地をみつめて幸せにくらしていた毎日。けれども日本の侵略が始まり、町のようすが変わっていく。父さんは戦争に狩りだされ、多くの人が町から…

レオが残したこと ヴェステルボルク収容所の子どもたち

レオがのこしたこと: ヴェステルボルク収容所の子どもたち 作者:マルティネ・レテリー 静山社 Amazon オランダに住んでいた幸せな男の子レオの日常は、変わり始めた。服に星をつけ、それまで行っていた学校に行くのを禁じられた。そして、7歳のある日、両親…

わたしはスペクトラム

わたしはスペクトラム 作者:リビー・スコット,レベッカ・ウエストコット 小学館 Amazon 著者の一人リビー・スコットは自閉症で自分の体験をベースに10歳のタリーを描いている。タリーの言動を見ていると、正直、周りの人間はたまらないな、と思う。突然以前…

エデとウンク 1930年ベルリンの物語

エデとウンク―1930年 ベルリンの物語 作者:アレクス・ウェディング 影書房 Amazon 原書の出版は1931年。主人公エデは、12歳の男の子だが、父が突然工場から解雇されて気をもんでいる。親友マックセの父は労働組合のリーダーだが、昔気質の父は、マックセの父…

あこがれの図書館

あこがれの図書館 作者:パトリシア・ポラッコ さ・え・ら書房 Amazon 大好きなおじいちゃんは、自然を大切にして農場の野生の鳥の巣を避けてトラクターを操作するような人だ。でも、ママの仕事の関係で引っ越した。小学校に入ったけれど、どうしても字を読む…

ルビーの一歩 私たちのすべての問題

ルビーの一歩 作者:ルビー・ブリッジズ あすなろ書房 Amazon 1954年に生まれたルビーは、1960年白人専用の小学校に通うただ一人の黒人の女の子となった。黒人と同じ教室に入ることを白人の親に拒否され、生徒1人、先生一人の教室で学び、襲われないように警…

町からきた少女

町からきた少女 (世界少女名作全集 18) 作者:リュボーフィ F.ヴォロンコーワ 岩崎書店 Amazon 『町からきた少女』『おかあさんは、どこ』の2編収録。『町からきた少女』は第2次世界大戦下のロシア。ドイツ軍の侵略により目の前で母親の死を見て、爆撃され…