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セヌとレッドのピラミッド

 

セヌとレッドのピラミッド (世界七不思議ファンタジー)

セヌとレッドのピラミッド (世界七不思議ファンタジー)

 

 大人になれば、誰でもカー・テイルを切ってカーと別れるというのに、セヌは、いつまでも自分のカーのレッドと別れる気になれない。だが、墓泥棒の一味が、死んだ王のカーをなだめさせるため、セヌに目をつけた。大神官まで加わった陰謀の中、墓の工事に加わり、機会を伺うことになる。書記をめざすが、女の子なので苦労している友達リオネットの学費の助けにと参加したのに、秘密は誰にも話せない。大神官の裏切りで、全員の命が危機にさらされるが、レッドの活躍と、リオネットの助けで、セヌはみんなを助ける。カーが暮しの中で、生きている設定がおもしろい。カー・テイルを切れなかったセヌが神官としての道を見つける結末。リオネットが才能をまわりに認めさせ、道を切り開くところなど満足のいく結末。