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北風のうしろの国上

 

北風のうしろの国(上) (岩波少年文庫)

北風のうしろの国(上) (岩波少年文庫)

 

 お屋敷の馬車の御者を務める父さんとやさしい母さん。二人に守られて素直に育ったダイヤモンドは、ある日北風と出会う。美しい女性の姿をした北風は、ある時はオオカミに姿を変えたり船を沈めたりという恐ろしいこともするが、全てには理由があるとダイヤモンドにさとす。北風と共に街に出たダイヤモンドは、道路で道をはいて小銭を稼ぐ女の子ナニーと出会い仲良くなったり、さまざまな経験をする。北風のうしろの国が、とても素晴らしいと聞かされたダイヤモンドは、北風にねだってその国を訪れて豊かな時を過ごすが、帰ってきたとき、自分が重病だったことを知る。淡々とした古風な物語を脇さんがとてもよみやすく訳してくれているのがありがたい。これまでの訳では読み進められなかったが、今回はすんなり読めた。