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緑の霧

 

緑の霧

緑の霧

 

 ポリーの農場では、いろんなルバーブを植えている。ひいひいおばあちゃんが作ったこの農場は、乾燥した一帯の中で、毎週月曜日の1時に必ず雨が降り、誰も溺れない湖がある。おばあちゃんが死んだ後、一時混乱したが、父さんのお姉さんのエディスおばさんが有名なジャーナリストとしてのキャリアをなげうち、戻ってきて立て直してくれた。ポリーは死んだおばあちゃんや、エディスおばさんと同じで生まれつき右手の人差し指が曲がっている。人気者のフレディ兄さんや、美人のパトリシア姉さんと違って、地味でルバーブと会話するような子で自信がない。だが、エディスおばさんはかわいがってくれた。なのに、そのおばさんが突然この農場を売ると言い出し、両親と対立して出ていった。そして急に雨が降らなくなり、農場にはトラブルが続発。フレディまで病気で倒れてしまう。ポリーは、何とかして農場を救いたいと願うが・・・という物語。自分に自信がない主人公が、実は何よりも大きな力があるという設定や、主人公を徹底していじめる嫌味な同級生、敵とも味方ともつかない魅力的な大人(おば)など、映画化したら面白いかもしれず、読みなれていない子には楽しいかもしれないが、個人的には読んでいてなじめなかった。いかにも的な誇張的な表現になんとなく疲れてしまう。こうしたファンタジー、ちょっと量産されている気がする。