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肩甲骨は翼のなごり

 

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

 

 新しい家に引っ越してきたマイケルは落ち着かない。生まれたばかりの妹が心臓の病気で入退院を繰り返しているからだ。そんな時、マイケルは庭にある壊れかけた小屋の中で、死にかけたようすでうずくまるスケリグに会う。クモやハエを食料にしている浮浪者のように見える男。だが、マイケルは彼の肩の手触りに翼を感じる。そして新たに出会ったミナは学校に行かず自由に学んでいる少女だった。手術をすることになった妹への心配、ミナと共有するスケリグの存在の秘密。ついにスケリグの翼を目にし、スケリグが回復して去ると共に妹も回復する。マイケルの妹への思い、ミナへの共感、そして成長する姿が作品の魅力になっている。