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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

シルクロードの大旅行家たち (岩波ジュニア新書)

 

張騫(BC167?~BC114)公式に中国からパミール高原外までのルートをたどった人物。玄奘(602?~664)こちらはご存知三蔵法師。ルブリック(1215?~1270?)ルイ9世の命を受け、コンスタンティノーブルからクリミア半島に上陸、ユーラシア大陸を横断してモンゴル帝国の首都カラコルムに達し帰還。マルコ・ポーロ(1256?~1323)は「東方見聞録」で名高い北京まで行った、親子2代に渡る交易ルートを求めたヴェネツィア商人。イブン・バットゥータ(1304~77)中世アラブに生まれ、アフリカ、ロシア、インド、中国の北京に至る大旅行を結果的に行った。プルジェワリスキー(1839~88)ロシアの中央アジア探検家。オーレル・スタイン(1862~1943)ハンガリーで生まれ、ドイツ、イギリスで学問を重ねユーラシア大陸の探検と発掘調査でアジアとヨーロッパのつながりを明らかにした探検家。以上7人をその探検をメインに描いた本。近年になるほど探検と実際の調査がメインとなり、ストイックな学者として探検に携わっている(ブルジェワスキーやスタインは生涯独身)ようすがわかる。未知の世界への好奇心や順応性、他の文化を尊ぶ態度が彼らを探検者として成功させているように思う。また、記録の大切さ。これらの人々が伝わっているのは記録を残しているから。そして前人の記録に刺激されて後の探検家がうまれていくようすは興味深かった。この本を読んで探検家にあこがれる子がいたら楽しいと思う。