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たのしいまきばのイースター

 

たのしいまきばのイースター (児童書)

たのしいまきばのイースター (児童書)

 

農場の動物たちは、毎日自分たちの世話をしてくれる女の子アン=イライザが大好きです。小屋をきれいにしてくれて、水をくんできてくれ、おいしいエサもくれるからです。なので動物たちは、春のおまつりイースターにイライザにすてきなプレゼントをあげたいとかんがえます。めんどりは卵を、アヒルは石や貝がらを、羊はふわふわの毛で毛布をなど。やぎのアゴヒゲじいさんは、何かというとみんなにケチをつけますが、みんなは気にしません。そして迎えたイースターの朝、すてきな出来事が起こります。原書出版は1936年だが、レンスキーの素朴で美しい絵と、シンプルな展開は(皮肉屋なやぎのアゴヒゲじいさんも含め)小さな子でも楽しめるだろう。ただ、イースターは、日本でもだいぶ認知されてきたがキリスト教の復活祭であり、命の春の復活を祝う祭りであるという感覚は、まだ日本人には薄いだろう。「はじめに」で、イースターは春のおまつりという説明はあるが、その萌えいずる春のわくわくしたおまつりであることをもう少し加えて欲しかった気もする。あと、文中、動物が名前だけででてくる部分もあるがめんどりのブラウンさん、などは、ブラウンさんといわれると人間ぽくて一瞬どの動物?と、私は迷いました。全部「めんどりのブラウンさん」と書いて欲しいと思いました。でも、春をみんなで喜ぶ、幸せな結末がうれしい。