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ながーい5ふん みじかい5ふん (2020課題図書 小学校低学年の部)

 

 「あと5ふんででかけるぞ!」の5分は「5ふんじゃ たりない」。でも「5ふんですむから」と待つ5分は「5ふんもかかるのー?」の5分。といった形で、こういうことってあるよねと、くすっと笑う感じの絵本。自分の5分体験と絡めてそれなりに感想文も書けそうな気がする。だけど、ただそれだけ。この「5ふん」とは、科学的に正確な5分で比較しているのだろうか? 「少し待ってて」の比喩としての時間であろう。また、仮に正確な5分を長く感じる、短く感じるとしたらその理由を見つめてみるとどうなるんだろう? どうしてこの5分は足りないの? という視点で感想文を展開する? 全体的に大人目線のノリで描かれているような感じで、低学年の子は、意外とまじめだから、まじめにこの絵本と向かい合おうとしたら苦労するかもしれない。これで感想文を書くなら、読み込まないでノリで書くのが正解かもしれませんね。