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紅霞後宮物語

 

紅霞後宮物語 (富士見L文庫)

紅霞後宮物語 (富士見L文庫)

 

 女で平民ながら、傑出した軍事の才能を活かし武官として活躍していた小玉。かつて彼女の副官だった文林は、思いもかけない運命の変転で皇帝となり、なんと彼女に後宮に入ってくれと懇願してきた。あぜんとした小玉だったが、平民で女性の彼女をこれ以上の軍の幹部にするのは皇帝でも不可能。だが、妃なら軍を率いることができるからというのがその理由だった。というわけで、やもなく受けた妃の座。だが、皇帝は、彼女を皇后の座に据えてしまった。男女の関係はないが、立場上皇后としてのたしなみは身に着けざるをえない。しかも、他の妃の嫉みをかい嫌がらせも受けるが、当然小玉は相手にしない。後宮に身を置き、文林への陰謀をあばき討伐軍を率いることいになる小玉。自然体にふるまいながら、味方を増やしていき、身を持って皇帝を守る武人小玉のカッコよさを楽しめます。