甲賀流に弟子入りし忍者集団「黒党」(くろんど)として活動する著者による読みもの図鑑。「ぼくが忍者になったわけ」から始まり、忍者とは、忍者の知恵と忍術、歴史上の忍者たちと、忍者文化を広く知ってもらいたいという熱意で語りかけてくる。
たとえば、「忍者」といえば思い浮かべる顔の前で両手を組むポーズは「絶対に大丈夫!」と暗示をかけるパワーアップ術だとか、天候や動植物の自然をよむサバイバルの知恵など、心身の修行を積めばその存在に近づけるかもしれないという魅力。ほとんど記録のない陰の存在ながら、戦国時代には大活躍したことをリアルに感じるおもしろさ。ゆるめなイラストも、武器はしっかり描きこんであって満足感がある。現代の生活にも忍者の運動能力や知恵は生かせるし、生かしてほしいという願いが伝わる。(は)