児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

人間はだまされる フェイクニュースを見分けるには

 

(世界をカエル 10代からの羅針盤)シリーズ。著者は共同通信社で長年ニュース報道に関わった。巻末の「用語解説」で本文中に例示された事件の簡単な解説(ページ付)、参考文献あり。「本物の情報」を見つけようとしているのに、だまされてしまうのはなぜ? だまそうとする情報をどう見分けるの? という、SNSで真偽不明の情報があふれる中で、私たちにそんなヒントをくれる本。情報の出所に注意し、怒りにまかせず批判精神を働かせる、誰の有利になる情報か? という視点を持つなど基本を抑えたうえで、マスコミの傾向「初めて」報道が好きだったり、情報提供者に密着の必要があるが、注意しなければそれが癒着に向かってしまうこと、正確な報道のためには調査が必要なのに、ネットニュースの台頭で広告費が減り、調査を行う費用がなくなったための問題点などがあげられている。事実先入観や感情に押し流されてしまう、というのはよくあること。一歩踏みとどまって、よく考えて判断したい。