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さくら村は大さわぎ

 

わたしはハナ、3年生です。わたしの住むさくら村では子どもが生まれるとさくらの木を植えるので、大きなものから小さなものまでさくらの木がいっぱいです。

春、お兄ちゃんが自転車の前かごに置いておいたヘルメットにキセキレイが巣をつくりました。夏はホタルの森での観察会と、満月の夜のカニの産卵。秋には、赤レンガの家に新しく引っ越してきたパン屋さんのパーティー。1番の「大さわぎ」は、おじいちゃんの畑にニワトリが捨てられて、トウモロコシが盗まれた事件。この時つかまえたどろぼうは、後に中州に取り残された子ネコを助けだし、パン屋で働くことになりました。
ハナの語りで、村に起こるできごとを春夏秋冬とつづるが、子どもの思うことやようすが、大人感覚に思えた。たとえば、来年も鳥がヒナをかえせるように巣ごとヘルメットをとっておこうという先生の提案に、困ったようすのないお兄ちゃんとか、さくらが散るのを”愛でる”感じとか。冒頭4ページ半にわたる村の家々の説明も、絵地図があるので、なくてもいいかなと思いました。 (は)