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チョコレートタッチ (2022課題図書小学校中学年)

 

ジョン・ミダスはたいていいい子ですが、お菓子に目がないことだけが問題でした。お小遣いはお菓子で消えてしまうし、お菓子を食べ過ぎてご飯がなかなか食べられません。ところがある日、不思議なコインを拾うと、目の前の店が、そのコインですばらしいチョコが買えると言われます。家に帰って箱を開けると、入っていたのはたった1個! でも確かにすばらしくおいしいチョコでした。ところがそのあと、歯を磨くと歯磨き粉がチョコに、ベーコン・エッグもチョコに変わり、大満足。何気に噛んだ手袋までチョコになりました。ところが、ジョンが口に入れるとなんでもチョコになり、うっかり噛んだ鉛筆も、吹こうとしたトランペットもチョコに。口の中がベタベタしてきて水を飲みたいと思っても、水もチョコになってしまいます。そして、家に帰って実際にチョコになるところを見た両親もビックリ。泣き出したママのほっぺたに思わずキスをしたらママまでチョコになっていましました! この展開、大人ならすぐわかるギリシア神話のミダス王(触れたものが何でも金になる)のお話です。でも、どんどんチョコになるのはなかなか楽しいし、自分がそうなったらで感想文を書くのも気軽にかけそうです。「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、とりあえずまとめられそうです。