児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

きんいろのとき

 

夏のおわり、きりぎりすが鳴き始める。「きりきり きりかり」。

畑の小麦は黄金色に実り、刈りとり機の音が「ちゃぐちゃぐ かたかた」。

森では、木の実を集めるりすたち。落ち葉を踏みならしながら家へ帰る、学校の子どもたち。

澄み渡る空を、南へ飛んでゆく渡り鳥のなき声。

やがて、霜がおり、木々の葉もみな散ってしまうと、農夫たちはあたたかいうちの中で、にぎやかに、感謝祭を祝うのです。
実りの秋の喜びが、詩のような静かな文章と、目の覚めるような黄赤青の色彩で表現されています。 (は)