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ウソつきとスパイ

 

父さんが失業したせいで引っ越すことになったジョージ。運動は苦手だし、イケてないから、みんなにばかにされている。引っ越し先のマンションの地下ゴミ捨て場で、「今日は、スパイ・クラブのミーティング!」という紙が貼ってあった。父さんがふざけて「何時から?」と書いたら「1時30分は?」と追記が! しかたなく、そこに行くと女の子が一人、さらにその子の兄で12歳のセイファーと名乗る同い年の男の子がいた。彼に、見たものをどれだけ記憶できているかというテストを仕掛けられ、同じマンションの怪しい男の監視を持ち掛けられる。キャンディーもセイファーも学校に行ってない、ちょっと不思議なセイファーに巻き込まれるようにして、スパイ活動に踏み込むジョージ。学校での嫌がらせをどう切り抜けるか? 看護婦で遅番を増やした母さんとはすれ違い生活。読んでいくうちに、おや? と仕掛けられたいくつかの謎にたどり着く。実際に他人の家に潜入調査をするセイファーにパニクるが、最後には意外などんでん返しが待っている。ちょっと内向的な男の子が、自分の立ち位置を見つけていく物語、といえるかな。