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トロリーナとペルラ

 

野暮らし族は、野原に住んでいるちょっと小柄な人たちです。人間が捨てたゴミをうまく使いながら、元気に暮らしています。みんな黒髪ですが、ある時、長老たちは、金髪で色白のお姫さまが欲しくなって、生まれたばかりの本物のお姫さまと、川沿いの農家に丈夫になるようにあずけられていた金髪の赤ちゃんを取り替えてしまいました。野暮らし族の姫になったペルラは、ドブネズミではなく犬を飼いたいと言い、きれいな物を欲しがります。文字を使うことを提案したり、計算をして計画的に仕事を進めてみんなを驚かせます。一方、都会にもどって成長したトロリーナは、どんな生き物も大切にし、天気予報でもわからなかった雨を予測します。結局、二人をもとに戻そうということになり、本来の場に戻れた二人は幸せになりますが、同時に、特に野暮らし族の暮らしには変化が訪れます。取り替えられた子というモチーフはよくあるけれど、まずまずたのしくまとめている物語。