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ミルクマンという名の馬

 

文字がやや小さめで長編だが、内容的には読書好きの4年生くらいに喜ばれそう。表紙にドーンとした馬が描かれているのも良い。物語は、一人で家にいたヘルマンの所に、突然馬が入り込んで着るところから始まる。これは夢か現実か? お隣のグリューンホルツさんは、大騒ぎして警察を呼ぶし、馬は大きな糞を家の中でしちゃうし、これはマジ!? 必死にガレージに隠し、警察をごまかし、両親に隠し、学校の裏の草地に放すために馬を連れ出す。MMと書かれたキレを巻いていたから、名前はミルクマンとした。学校の先生にバレたが、なんと先生も馬を見つけて同じ草地で隠していた。いったいどうなってるの? どうやら馬は他にもいるらしい。どこから来た馬なんだ?ママガ勤めている老人ホームのフォイヤーバッハさんは、元は鍛冶屋で馬の蹄鉄を作っていたという。車いすの上でなにもしゃべらなかったフォイヤーバッハさんが、馬をみるなり加勢してくれるように変わり、思いがけない展開が待っている。ちょっとナンセンスな味わいもある楽しい物語。ドイツで2005年に刊行とのことだが、クラシカルな雰囲気もある作品。