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コレラを防いだ男 関寛斎

 

著者はノンフィクション作家。特定の分野を専門にはしていない。幕末から明治にかけて、それまでなじみがなかった西洋医学の重要性に気が付き、既得権を守ろうとする東洋医学に対抗して種痘を行い、コレラの予防や対応をおこなった寛斎の姿を描く。貧しい家の出身だが、佐倉順天堂に学び、銚子を拠点に医学の発展に尽くす。医学の知識がないために、まじないに頼っていた人々に、有効な予防方を教えていくところは、最近のコロナ予防とも共通していて、面白い。全体的に、オーソドックスな偉人伝!