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6カ国転校生 ナージャの発見

 

生れは旧ソ連時代のロシア。ロシア⇒日本⇒イギリス⇒フランス⇒日本⇒アメリカ⇒日本⇒カナダ⇒日本と、6歳から15歳までの間に頻繁な転校を繰り返し、現地校で学ぶ経験をした。転校したとたん、それまでの常識は非常識となる。教室の机の配置や座り方、体育の並び方(そもそもならばない国もある)、筆記用具(えんぴつかペンか)、ノートまでバラバラ。言葉もろくにしゃべれない状態からスタートして、やっと慣れたら転校。できないことが多いけど、自分の苦手をしっかり見定めることで、文法ができなくても詩ならおかしくないはず、と詩でコンテストで優勝する! 苦手なことがあったって、何が苦手か見極めれば大丈夫だと気が付く。ふつうなんてないから、自分の「ふつう」を見つけていく。柔軟で素直な発想は、この過酷な転校体験のたまもの? 気軽に読めるので、ぜひ中高生に読んで欲しい。