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地図と星座の少女

 

作者は1990年生まれ、若い! 物語はジャヤ島に住む地図職人の娘13歳のイサベラが主人公。この島は、かつて海を自由に漂っていたが、ヨーテという炎の魔物に捕まり、島を飲み込もうとする怪物をアリンタという少女が剣で闘って、手をださないと約束させたという伝説がある。島は無慈悲な総督の支配下にある。総督の娘ループはわがままな所もあるが、率直で元気、イサベラと仲良しだ。ところがある日、二人の同級生カータが森の中で殺された。島中の動物は、なにかにおびえて島を逃げ出そうとして海に飛び込みおぼれ死ぬ事件が発生。カータの死のきっかけが、ループが果物を取ってこさせようとしたことを知り、イサベラは怒りをぶつけ、ループはその原因を突き止めようと森にむかう。行方不明になった一人娘を救うため、総督は誰も入らない森へ向かう。男装したイサベラは、父から教えられた地図づくりの技能でそこに加わり、ループを探そうとする。次々に意外な事件が起こって楽しく読ませてくれるのだが、同時に、実際にこれをしたらダメだろう(旅の途中、心配で食事も取れないとか)みたいなところがあり、なんとなく気になった。最近、こういうてんこ盛りファンタジーが多い気がする。もう少し落ち着いて~と思ってしまう。映画化されたらとても面白そう。