4月のある朝、イタリア・ローマの町トゥルッロの上空に、突然なぞの物体があらわれた。大きくてまるいもの。
火星人だ!宇宙船だ!と人々は大さわぎ。そんな中、パオロとリタ兄妹のうちのベランダに落ちてきた何かから甘いにおいが。おそるおそるなめてみると、それはチョコレート。2人は、なぞの物体が着陸した丘へ、その正体を確かめに向かう。
茶色、ピンク、黄色、緑、いろんなクリームやジャムの味のするそれは、巨大なケーキだった。クリームを掘り進んだ奥には、ゼータ教授と名のるおじいさんがいて、原子爆弾をつくろうとしたのにケーキができてしまったから、これを壊さなけりゃならんと、頭を抱えていた。
一方、町の参謀本部は、なぞの宇宙船を軍隊で取り囲み、集中砲火をあびせようとしていたが、そんな大人たちをよそに、巨大ケーキの話を聞いた子どもたちがぞくぞくと集まってきて、おいしいケーキに大喜びしたのでした!
ひねりの効いたジョークが時おりはさまれる文章。 (は)