児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ヒラメキ公認ガイドブック 世界中を探検しよう

 

ヒラメキ公認ガイドブック世界中を探検しよう

ヒラメキ公認ガイドブック世界中を探検しよう

 

 ともかく細かく情報が書き込んであって、細部を楽しむ本。世界を対象とした探検の歴史を古い時代から展開している感じだが、記述が断片的なことと翻訳なので日本の子には馴染みのない地名や人名も多く、予備知識がないと理解しがたい。むしろこれを読んでいて、もっと知りたいとか、どういう意味?と思ってほかの本に発展する本。こういうのが好きな子がいるけどね。

たべかたのえほん

 

たべかたのえほん (たのしいちしきえほん)

たべかたのえほん (たのしいちしきえほん)

 

「えほん」とあるが、ストーリーはなく、説明文に大きな絵がついていている。いきなり「毎日おかあさんがつくってくれるおいしいごはん」という出だしにびっくり! お父さんはつくらないの? 文をかいているのは食の専門家ではない。ざっくり取材して読みやすくまとめただけではないかと疑う。食に対して特に思いがないなら、それなりに正確なハウツーにすればいいのに、おかあさんはごはんをつくると繰り返され、おとうさんはおみやげをかってくるなんて描写が急に入り正直ビックリ。編集部もなにも疑問に思わなかったのだろうか? 単純な説明にするか、誰かが作ってくれることを盛り込むなら、料理を作ることの思いやりやそうした能力の必要性を男女や年齢を問わずきちんと入れてほしかった。食事マナーには類書もあるし、購入はしない。 

くらべたしらべたひみつのゴキブリ図鑑

 

くらべた・しらべた ひみつのゴキブリ図鑑 (ちしきのぽけっと)

くらべた・しらべた ひみつのゴキブリ図鑑 (ちしきのぽけっと)

 

 「図鑑」とあるが確かに「図鑑」、リアルで嫌いな人は見るだけでも気持ち悪いゴキブリが各種描かれている。ゴキブリは飛翔が苦手で、人間をよけようとして飛んでも、うまく飛べなくて、結果的に人間に飛びついてしまう。成長が実は遅いなどと確かに意外な事実は記述されているが、並列的な感じなので、ゴキブリについて全貌をつかめた感じはしない。だが、いろいろな種類のゴキブリや、顔の形だけの比較などがあるので、図鑑が大好きの子にとっては明らかに魅力な本。

詩ってなあに?

 

詩ってなあに

詩ってなあに

 

 大好きな公園で、詩の発表会があるという。でも、詩ってなぁに? 小さな男の子ダニエルは、いろいろな動物に詩ってなあに? と聞いてみる。その答え自体が詩になっている絵本。地味だが、自分の詩を見つけようとしていくダニエルの姿はよい。

ぼくの鳥の巣絵日記

 

ぼくの鳥の巣絵日記

ぼくの鳥の巣絵日記

 

 自然の中で暮らす様子を、自宅を俯瞰した絵を片面に、鳥のようす、巣作りや食事などをもう片面に描いている。特別なことはないが、細かく描いているので、実際に観察するような気持ちで見ていくことができる。

海辺の宝もの

 

海辺の宝もの

海辺の宝もの

 

 1800年代のはじめ。貝や魚の形をした変わり石を掘るのを楽しみ、それを海辺に来た人にみやげとして売ってささやかな収入にしていたやさしい父。メアリーは父や兄とともに石を掘りに行くのが大好きだった。だが、貝がどうして石になってしまったのか? メアリーには不思議でたまらない。だが、やさしかった父は病気で死んでしまった。若い兄の収入だけでは食べていくのも難しい。だが、偶然が、メアリーに変わり石を売る仕事を思いつかせる。都会から来た科学者たちに、これは「化石」というものだと教えてもらい、メアリーは一つ一つの違いをしっかり見ながら化石の発掘を生涯の仕事として取組み自立していく。自分のやりたいことをみつけ、認められる幸せがうれしい作品。

衛星軌道2万マイル

 

衛星軌道2万マイル (21世紀空想科学小説 6)

衛星軌道2万マイル (21世紀空想科学小説 6)

 

 この「21世紀空想科学小説」シリーズの中では一番SFとしての質が高く面白かった。主人公石丸真哉は月に移住した人類の子孫で、宇宙漁船彗星丸の乗組員。この宇宙漁船の設定がとてもリアルで楽しい。彗星丸がデフリ鮪を追って漁をするシーンからスタート。宇宙の漁? というトンデモ設定を徐々に科学的に説明していくのだが、いきなり説明から始めず、少しずつ解説していくので物語がじゃまされない。実はデフリとは宇宙のゴミ。軍事衛星にひそかに搭載されていた修理用のナノマシンと宇宙嵐の影響で、ゴミを利用して自動で動く生き物もどきが誕生してしまい、宇宙漁船は、それを捕獲し、宇宙空間のメンテナンスをすることで生計をたてているというわけ! この宇宙生物たちがリアルで説得力があり、まさしく海底2万マイルの宇宙バージョンになっている。難破宇宙船からローズとジャックという姉弟(真哉と年齢が近い)を救い、彼らとのからみで暮らしが紹介されていく。そしてラストは、ファーストコンタクトを予感させる大胆な展開で、ワクワクした雰囲気で終了。