まぼろしの町 ニルスが出会った物語1 (世界傑作童話シリーズ)
- 作者: セルマ・ラーゲルレーヴ,平澤朋子,菱木晃子
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2012/05/09
- メディア: 単行本
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ニルスの不思議な旅から、抜粋されたエピソードを一冊の物語に編集した全6冊のエピソード集の第一巻。
恥ずかしながら、私は本編を読んでいない。しかし、本編を読んでいない人が最初にこのエピソード集をよんだら、その世界観はどう伝わるか試しに読んでみようという事になり読んでみた。
まず、最初の一ページにニルスの旅してきた旅路を示す地図が載っており、簡単なこれまでのあらすじが書かれているので、なんとなくアウトラインは理解できる。
旅でであった出来事もそうとうなインパクトなので、単純に物語として楽しめるし、4巻のストックホルム以外は単品としても面白かった。
まさに、編集の技術による完成された作品だ。絵も綺麗だし。
ただ、主人公なのにニルスがストーリーテラーの役割でしかない事など、本篇を読んでいる人には物足りなさはあるだろう。
そして、本篇を読んでいない人間にとっても、部分部分で、ふと読書の流れをとめる箇所がちょいちょいある。
例えば、ニルスとカモメがグルミン城の話をいきなり始めるのだが、
読者には一切説明がなくほったらかしなため、なんかアウェイな感覚に襲われる。
仲良しの友人と街を歩いていたら、友人の知人と偶然に立ち話になり、わたしの知らない思い出話に瞬間盛り上がり、それを傍で聞いてる感じに似ている。まぁ、そもそも立ち話程度だから、そうそうに本題にはいる程度なのだが、なんだかそんな細かな疎外感を感じる以外は、なかなかな短編集ではないかと思う。
私は、疎外感が嫌だったので、本篇をきちんと読むことにする。