
- 作者: 上橋菜穂子,二木真希子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1999/01/28
- メディア: 単行本
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『精霊の守り人』続編であるが、単発で読んでも十分楽しめる。前作で皇子チャグムを守り抜いたバルサは、その中で、かつて自分を守り抜いてくれた養父ジグロの思いを我が事として感じ、25年ぶりに故郷のカンバル王国へと帰る決意をする。だが、山の洞窟を抜ける早々、ヒョウル(闇の守り人)に襲われる幼い兄妹を助けたことから運命が変わり始める。故郷で知った養父ジグロの汚名。彼は、王の輪を盗んだ大罪人とされ、彼を倒して輪を持ち帰ったユグロが英雄としてたたえられていた。だがバルサは知っている。ジグロは病死で、かつて訪ねてきたとき、技を伝え、自分の輪を贈ったことを。悪辣な前王ログサムの死後、おとなしいラダール王をあやつり、ユグロは野望を育てていた。貧しいカンバルは、約20年ごとに山の王から贈られるルイシャ(青光石)により、かろうじて民は食べている。山の王を襲い、ルイシャを強奪する計略をめぐらすユグロ。そして、いつもよりはるかに遅れ、35年ぶりに山の王の扉が開かれる。
闇の守り人の意外な正体。槍舞い。ルイシャがもたらされる秘密などのイメージが豊か。