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身がわり王子と大どろぼう

 

 


 

 

 

身がわり王子と大どろぼう (子どもの文学・青い海シリーズ)

身がわり王子と大どろぼう (子どもの文学・青い海シリーズ)

  • 作者: シドフライシュマン,ピーターシス,Sid Fleischman,Peter Sis,谷口由美子
  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 2011/12
  • メディア: ハードカバー
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主人公ジェミーは、あくたれな王子が悪さをするたびに、代理で体罰を受けるためだけに、お城に呼ばれた男の子。自分がしたわけでもない罪のために、体罰を受けなければならない不条理さを受け入れているジェミーは、ある夜お城を抜け出す機会を得て、逃げ出した。ただし、あのどうしようもないあくたれで、嫌われ者の王子と一緒に…。
 
逃亡の途中、ニンニク・ビリーら盗賊に捕まりそうになるも、クマのペチュニアをつれた少女ベッツイに助けられたりと、波乱だらけ。やがて、王子と友情が芽生えたジェミーだったが、お城ではジェミーが王子をさらって逃げていることになっていて…
話としては、前半の王子の態度が悪ければ悪いほど、後半の素直さが可愛く見えるから不思議。ジェミーが、友達をつれていかないと…と王子を手招きすると、王子が嬉しそうに馬車に乗り込んでくるあたりからの場面は微笑ましい。自分を気にとめてくれている誰かの存在が、王子を成長させたわけで、ベタだけどやっぱり読んでいて安心できる。