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二つ、三ついいわすれたこと

 

二つ、三ついいわすれたこと (STAMP BOOKS)

二つ、三ついいわすれたこと (STAMP BOOKS)

 

 転校してきたのは、元子役のスターという経歴のティンク。やせて、そばかすだらけで、頭の回転が良く、感性豊かな皮肉屋の少女。自分のことは語らず、プライドは高いが、どこかさびしげなティンクに、みんなは魅了される。だが、突然ティンクは自殺した。その波紋は、彼女と仲が良かったグループに広がる。ミス・パーフェクトと呼ばれるメリッサは、希望していた名門大学への合格が決まり、演劇の主役にも抜擢されるが心が晴れない。父親が若い女のために家をでて、今、家は離婚の危機に瀕しているからだ。気づいた時には自傷行為がやめられなくなっていた。父親が大企業の社長をするナディアは、太目なことを気にしている。かわいい女の子であるために、おバカにふるまうくせがついてしまい、みんなからもばかにされている。フットボール選手のコリンに何か飲まされ、知らないうちにまずいことをされたことも不安でたまらない。唯一の救いは、どの生徒にも真剣に接するケスラー先生だ。だが、思い詰めて、ケスラー先生の誕生日に、父親が所有している絵の中でも美しいと思うものを匿名でプレゼントしてしまう。気づいた父親は激怒して、娘をそそのかしたとケスラー先生を追い込む。二人の少女は、今はいないティンクの存在を感じながら、迷路から抜け出す道を見つけていく。

メリッサが、高校生なのに、こんなにファザコン? みたいに思ったりするけど、アメリカって意外に他の作品みてても、そんなのあるよね。死んでしまっては未来はない!メリッサもナディアも頑張ってね。