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ケンスケの王国

 

ケンスケの王国 (児童図書館・文学の部屋)

ケンスケの王国 (児童図書館・文学の部屋)

  • 作者: マイケルモーパーゴ,板垣しゅん,Michael Morpurgo,佐藤見果夢
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本
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 父の失業をきっかけに、両親と世界一周のヨット旅行に出発したイギリスの少年マイケル。だが、愛犬と共に海に落ち、島に流れついた。島のたった一人の住人ケンスケは、食べ物を運んでくれるが、人嫌い。だが、クラゲに刺されて倒れたことをきっかけに友情が生まれる。ケンスケは生き残りの日本兵だった。妻子のいた長崎が原爆で壊滅したことを知り、この島にとどまる決意をしたのだ。一度マイケルと共に島を出る決心をするケンスケだが、密猟者からオラウータンを守るため、結局とどまる決意をする。探し続けた両親と再会し、マイケルだけが島を去った。 ロビンソン・クルーソーものの一つとしておもしろいが、ケンスケが最初マイケルを拒否するところが少し不自然なのが残念。