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ゴールデンドリーム 果てしなき砂漠を越えて

 

ゴールデンドリーム―果てしなき砂漠を越えて

ゴールデンドリーム―果てしなき砂漠を越えて

 

 両親が亡くなって、叔父の家で働かせてもらっているカルロは、夢見がち。とかく失敗続きで、ある日帳簿記載の大ミスのせいで、ついに追い出されてしまう。だが、直前に宝の地図を手に入れていたカルロは、嬉々として旅に出る。従者として雇い入れたバクシーシュは、うさんくさい怠け者だが、口でいうほどワルじゃない。幸せに暮らしていた生家から拉致され、復讐を誓う美少女シーラ。海を夢見て旅を続ける賢者サラモンなど、ユニークな道連れとともに旅を行く。いかにも、な明るい冒険譚の中、キャラバンを襲った盗賊を捕まえたところ、少年のような若者で、彼が処刑されるのを見て吐き気を感じるカルロの姿を描くところはさすがアリグザンダー。水で消えないギリシアの火を利用して、砂漠の交易ルートを抑え、暴利をむさぼろうとするチャルコシュの悪を倒し、宝とはシーラや仲間だと気付く展開はお約束どうりだが、途中の王女と庭師のエピソードなどイメージ豊か。83歳の死の直前に書き上げたとのこと。最後までありがとうございました。