児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ウィロビー・チェースのオオカミ

 

ウィロビー・チェースのオオカミ

ウィロビー・チェースのオオカミ

 

 大金持ちのウィロビー卿の一人娘ボニーと、そこにひきとられてきたいとこのシルビア。勝ち気だけどまっすぐな気性のボニーと、おとなしいけれど思いやりがあるシルビアは、すぐに仲良くなった、だが、ボニーの母の転地療養のために両親は旅行に出発。後を託された遠縁の親戚だという怪しい家庭教師は、両親がいなくなったとたん態度を一変させる。両親が乗った船の沈没の報が届き、二人は孤児院へと追い出され、莫大な財産はのっとられてしまう! 近くに住む自立した少年羊飼いのサイモンの助けを借りて、二人はシルビアの大叔母さんの助けを借りるべくロンドンに向かう。オオカミが群れなす架空のイギリス史を背景に、小公女とジェーン・エアを活劇にしたようなおもしろさ。読書力のある小学校高学年の女の子には、特に好評。