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ゴールドフィンチ2

 

ゴールドフィンチ 2

ゴールドフィンチ 2

 

 何をしているか不明な父との暮らし、新しい学校で、テオはボリスと出会う。世界中を鉱山技師の父と渡り歩いてきた不思議な魅力のある少年。恐ろしく頭はいいが、二人は、酒とタバコとドラッグの暮らしへと踏み込んでいく中で、緊密な絆をはぐくむ。あの「ゴールドフィンチ」の絵を持ったままであることは、心の奥で疼いているが、ボリスを殺しかねない暴力をふるう父親を逃れ、テオの家で実質的に暮らしていたボリスだが、恋人ができて微妙に変わり始める。そんな折、父親は賭けで巨額の借金を負った。テオの遺産からなんとか払おうとするが、学費として学校にじかに払うことしかできないと弁護士に阻まれ、酒を飲んで交渉に向かおうとし事故死する。一人となったテオはニューヨークに向かい、ホービーに助けを求める。そこで弁護士から、実は遺産は自由に使えたのだが、君を守るために嘘をついたと知らされ、父親の死に責任を感じる。自分の生活費を支払ってもらい、ホービーと暮らし始めるが、「ゴールデンフィンチ」を返すタイミングを失い、しかも爆発に乗じた絵画窃盗団の逮捕に恐怖を感じる。やっとレンタル倉庫の存在を知り重荷をおろした帰り、かつて母と暮らしたマンションが再開発のため壊されているのを見て、過去が失われていくことに呆然とするテオだった。