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笑う化石の謎

 

笑う化石の謎

笑う化石の謎

 

 19世紀後半のイギリス。ビルは13歳。足は悪いが腕のいい園芸家の父さんのおかげで、そこそこの暮らしができている。でも母さんはここのところ具合が悪い。最近村は、コプライトのせいで変わってきた。化石層のコプライトは良い肥料になって高く売れるので、父さんの雇い主も、土地を業者に売ることを検討中だ。ビルは父さんが仕事を失わないように、品評会優勝を着色ダリアで成功させるが、不正とされ父さんの失職につながってしまった。一方、コプライトの採掘夫として母の妹一家がやってきた。子だくさんでガラが悪い一家を母さんは激しく嫌悪して拒絶するが、ビルは同い年のアルフと仲良くなった。失職した父の代わりにビルもコプライト採掘の下働きにでるが、そこで地層に交じる化石のことを知る。少しでもお金が欲しくて、小さな化石を売りに行ったことでケンブリッジ大の古生物学者と出会い、いろいろ教えてもらう。園芸の仕事で出稼ぎに行った父の留守に、ビルは母親の不調が妊娠のせいだとやっと気づく、赤ん坊のためにもお金が欲しい。偶然笑ったワニのような化石骨格を見つけるが、アルフと共にひそかにそれを堀に行った夜に放火があり、アルフの父が犯人として逮捕されてしまった。だが、近くにいた二人は、それはありえないことを知っている。果たして犯人は? 謎の化石はうまく売れるか? 母親の出産は? 母が妹を拒否していた理由とは? 最後に次々と謎が明かされ、ビルは新たな道を見つけていく。都合がよすぎるところもあるが、作者がきちんと当時の実在の村を調べ、リアルに登場人物を描いでいることが作品の魅力になっている。