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林業少年

 

林業少年

林業少年

 

 喜樹は、平凡な小学校5年の男の子。おじいちゃんは先祖代々の林業に誇りを持っているが、一人娘のお母さんは、林業には興味がなく、おじいちゃんが勧めた男性を断り、今の勤め人のお父さんと結婚した。山の木は売れても管理の手間賃にもならないとお母さんは不満なのだ。高校3年のおねえちゃん楓はおしゃれで英文科を目指して受験勉強中だが、最近、急に雰囲気が変わってきた。久しぶりに百年杉の買い手がきたことをきっかけに、喜樹は、林業という仕事を見直していく。跡継ぎとしての視線をかけられるがあまり実感がわかないものの、林業に淡い興味を抱く喜樹としっかりもので、海外留学を目指すギャルと思われていたのに林業宣言をする楓。林業のうんちくもあってなかなかおもしろい。女性の林業の姿の提示はわかりやすいが、収益が上がる林業と、伝統林業の関係は、イメージ先行な感じもする。といっても、そこまでつっこんで読んじゃうのは大人だけ?