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青い丘のメイゾン マディソン通りの少女たち2

 

青い丘(ブルー・ヒル)のメイゾン―マディソン通りの少女たち〈2〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)

青い丘(ブルー・ヒル)のメイゾン―マディソン通りの少女たち〈2〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 

 故郷のブルックリンの街角から外の世界へ旅立ったメイゾン。だが、名門の青い丘(ブルーヒル)校はやっと黒人を受け入れ始めたばかりで中学ではメイゾンだけ。高等科にいた黒人3人のグループが、さっそく声をかけてくれる。もう一人黒人と白人のハーフのパウリは黒人グループに入らず孤高を保っている。黒人で経済的にも恵まれないという二重の違いを意識してメイゾンは周囲にとんがった対応そしてしまう。差別的な子がいる一方、素直に接してくれるルームメイトのサンディのような子もいる。先生たちはメイゾンの立場を理解して応援してくれているし成績では断然トップクラスだ。クラスで『青い眼がほしい』を読もうと提案して受入れられた時、黒人の主人公を一番理解できているのは自分だと感じながらみんなが思いがけないほど作品を深く理解したのに驚く。だが、メイゾンは自分の場所が見つけられない。黒人だけのグループはイヤ、かといってどこに行けばよいのか? 結局、メイゾンはわずか1学期で学校を去る決心をする。勝ち気で向学心があるメイゾンが自分の学ぶ場所をどう見つけていくのか? ちょっぴり心配。