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ライオンつかいのフレディ

 

ライオンつかいのフレディ (文研ブックランド)

ライオンつかいのフレディ (文研ブックランド)

  • 作者: アレグザンダー・マコールスミス,かじりみな子,Alexander McCall Smith,もりうちすみこ
  • 出版社/メーカー: 文研出版
  • 発売日: 2017/12/30
  • メディア: 単行本
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10歳のフレディの家は裕福ではない。お父さんは洗濯機の修理の仕事、お母さんは客船に乗って客室の掃除やベッドを整える仕事をして一所懸命に稼いでいますが、フレディの下には双子がいるし、お父さんの弟がけがをしたので、その家族も助けなければいけなくて、いつもお金が足りません。でも、友だちはみんなフレディのことが大好きで、いろいろなところに誘ってくれます。ある日、サーカスに誘ってもらったフレディは、空中ブランコやライオン使いにハラハラして楽しみました。ところが、直後、サーカスの洗濯機が故障してお父さんが呼ばれ、フレディも助手でついていったことがきっかけで、フレディは夏休みの間、サーカスの雑用を手伝うアルバイトをすることがきまりました。いつも大変な両親を助けることができて、フレディは大喜び! 掃除や皿洗いに励んだフレディは、たちまちみんなに気にいられます。すると団長さんは、サーカスの出し物の助手もやって欲しいといいます。とても無理だと思ったフレディですが、空中ブランコのリサとゴドフリーは、親切にいろいろ教えてくれ、落ちてもネットがあるから大丈夫だとわかって二人の手伝いを始めました。すると、さらにライオン使いの助手まで命じられます。今度こそ無理! と思うのですが、実はライオンは年をとって歯もないし、慣れていておとなしいことがわかり、すぐライオンとも仲良くなります。そしてライオン使いが勝手に出ていってしまった穴埋めを立派に勤めました。団長は、フレディがすっかり気に入り、働き者の両親ともどもサーカスで働いて欲しいと頼みます。お給料は増えるし、これからはみんなで暮らせる、というすてきなハッピーエンドのお話です。性格が良くて努力家のフレディが、どんどん運が開けていく様子は、なんだか昔話のような、明るい気持ちよさがある。できすぎのはなしだが、だからこそ楽しい感じです。