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落語少年サダキチ (さん)

 

 またしても悪友真一にはめられて落語をすることになった忠志。老人会のイベントで、漫才をするカピパラ兄弟を名乗る同じ小学校のコンビと、漫才と落語はどちらが面白いかで勝負することになったのだ。ムキになって大作「住吉駕籠」にチャレンジするが、これがまた大変! カピパラ兄弟とトラブルを起こし、とっさに石碑まで逃げて、またもや江戸時代にタイムスリップする。そこで粋梅の落語をきき、自分には「住吉駕籠」は無理だと納得して「子ほめ」で無事に舞台を務める。漫才と落語は競うものではないと互いに納得できてハッピーエンド。そしてその後、なんと母親との再会を果たすことになる。父親と仲が悪かったわけではないが、三味線の道を究めることを選んだ母親にあって、ちょっとショック! だけど、そんな両親のことをなんとなく理解した忠敬、やっぱり落語に支えられ、という定番の展開でした。