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こねずみとえんぴつ

 

こねずみとえんぴつ―12のたのしいおはなしとえのほん (世界傑作童話シリーズ)

こねずみとえんぴつ―12のたのしいおはなしとえのほん (世界傑作童話シリーズ)

 

 アニメ風の挿絵で12のお話が楽しめます。
標題作は、「おまえをかじるぞ!」とねずみにおどされたえんぴつが最後に1つ絵を描かせてくれと言い、こねずみが見ていると、生き生きとした猫の絵が出来上がり、驚いたこねずみが逃げ帰る話。「きのこのかさ」では、きのこの下で雨宿りする動物が増えていくごとにきのこがどんどん大きくなって、ウクライナ民話の「てぶくろ」のようだけれど、最後きのこは元の大きさに戻らない。どうも本当に大きくなったみたい?!と思わせる結びです。最後の「おしょうがつのもみのきまつり」は、日本のイメージではクリスマスのお話。こどもたちが雪だるまを作り、もみのきをくださいと願う手紙を持たせると、雪だるまは「さむさむおじいさん」に届けるべく出かけますが、途中吹雪にあったり手紙をなくしてしまったり、無事にもみのきは届くのかハラハラさせられます。
読んであげれば4歳位から。コマ割り漫画のような短いお話から徐々に長いものへと配されているので、年齢の違うきょうだいが一緒でもそれぞれ楽しめそうです。 (P)