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机の上の仙人 机上庵志異

 

机の上の仙人: 机上庵志異

机の上の仙人: 机上庵志異

 

 童話作家の私が久しぶりに机の上をかたづけたところ不思議な家が机の上に現れた。その家からは虫のように小さな犬が飛び出して来て、着物姿の老人が現れた。仙人だという老人がさまざまな物語をしてくれた、という枠物語形式のおはなし。『聊斎志異』の翻案であることをあとがきで書いているが、日本の物語として再構成している。まとめ方は淡白で、昔話風。桜の精や狐などの異類婚姻単もあっさりと幸せに結ばれて気持ちがいい。読みやすいので、長い作品が苦手な子にちょこちょこ読んであげてもいいかもしれない。