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ほんとうの願いがかなうとき

 

ほんとうの願いがかなうとき

ほんとうの願いがかなうとき

 

チャーリーの父さんは拘置所に入った。母さんはベッドに入って出てこない。姉さんのジャッキーはもうすぐ高校を卒業するというので親友の家で暮らして留まることになったのに、5年生のチャーリーは母さんの姉だというバーサとその夫のガスにあずけられることになった。今まであったこともないし、ど田舎に住んでいる。チャーリーは父さんと同じ瞬間湯沸かし器で、しょっちゅうトラブルを起こしている。反抗的でクラスでも他のことトラブルを起こすチャーリーにもバーサは明るく優しく接してくれる。そしてハワードという男の子が「お世話がかりになったから」と近づいてきた。足が不自由だけど、いつも穏やかで頭がいい。でもチャーリーは嫌だ。反抗的な自分を止められない。そして毎日願い事をする。誰にも言えない秘密の願い事を。ある日、痩せた野良犬を見つけたチャーリーは、どうしてもその犬を自分の犬にしたいと願う。ハワードやガスの助けで犬を捕まえ、ウィッシュボーンと名づける。相変わらず反抗的なことをいってしまうが、それでも怒らない忍耐強いバーサやハワードに対し、自分が嫌になる。そしてやっと母親が復調してきたから家に帰れるという話が来た時、チャーリーは自分がどんなにここや周りの人たちが好きなのかをきづいた! 辛い毎日で怒りにはち切れそうになっているチャーリーと、自分も足の悪さをしょっちゅうからかわれるのに怒らないハワード。「パイナップルって言うと怒りが修まるよ」とアドバイスされてもなかなかコントロールできないチャーリー。だが、常に願うことをやめないチャーリーのパワフルさを見ていると、パワーは良い方に向かえば大きな力になるという希望を感じる。