母さんが死んで、アルビーは悲しくてたまらない。父さんと母さんは科学者で、とりわけ父さんは難しい科学事項をわかりやすく説明するのが得意だ。「母さんは天国にいるの?」と聞いたアルビーに対し、父さんは量子物理学のパラレルワールドの話をしてくれた。異次元に行けば母さんに会えるかもしれない。母さんが残したパソコンと、微量な放射性物質を出すバナナ、ガイガーカウンターで手作り装置で他の世界に行くことに成功した。だが、いじわるなアルビーの世界では、母さんはとっくに亡くなっていたし、次は自分が女の子アルバとして生まれている世界でも、母さんは事故死して、アルバも車いすだった。だが、ついに母さんのいる世界について「天国はあるの?」と聞いた時、母さんはある答えをくれる。次々にいろいろな世界をめぐる冒険SFで、それなりに科学的(バナナはさすがにトンデモ科学だけど!)。いろいろな自分に出会うという楽しさはある作品。