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黒おばさん 子どものためのメルヘンと物語

 

黒おばさん 子どものためのメルヘンと物語

黒おばさん 子どものためのメルヘンと物語

 

 幻冬舎の出版!?とちょっと意外であったが、オーソドックスな古風の創作昔話。「黒おばさん」というのは、黒髪でいつも黒い服を着ているところからついたおばさんのあだ名で、このおばさんが昔話をしてくれた、という展開になっている。これは事実で『ふしぎなオルガン』の作者レアンダーの実際の叔母だったとのこと。『マッチ売りの少女』のような悲劇的だが美しい死が描かれた『マリーヒェン』、ちょっと教訓的なところがある『紙とインクとペン』、ちょっとナンセンスな味わいもある『小さなヴィルヘルムがふさぎ虫をつかまえた話』など、いろいろなタイプの話があり、多少古めかしいものがないとはいえないが今の子でも十分に楽しめる。