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銀をつむぐ者 上

 

銀をつむぐ者 上 氷の王国と魔法の銀

銀をつむぐ者 上 氷の王国と魔法の銀

 

ミリエムは金貸しの娘だが、父は取り立てが苦手で家は困窮。母が具合が悪いのにろくな食べ物もない。ミリアムは父の代わりに金の徴収に歩く。公正に、きちんと仕事をしているだけなのに両親は悲しげ、だが適切な仕事で着々と利益をあげる彼女を、街に住む金貸しである祖父は認めてくれた。ミリアムは借りた金を返せない貧農の娘ワンダを助手にする。仕事で借金を返してもらうことにしたのだ。ワンダにとってこれは救いだった。母親の死後アル中になった父親は、金のためにワンダを売るところだったのだ。ミリエムの家では食事が食べられ、賃金も渡してくれる。だが、異界の者スターリクがミリエムに目をつける。スターリクの王は、ミリエムにスターリクの銀貨6枚を渡し、金に変えろと命じた。ミリエムは宝石職人にその不思議な銀を渡して指輪に加工し金貨10枚を稼いだ。次の銀貨60枚を首飾りに、最後は小箱いっぱいの銀貨を王冠に加工して金貨にした彼女を、スターリクの王は女王すると言い自国へ拉致する。スターリクの世界では、誓約が一番重んじられるのだ。一方、指輪と首飾りと王冠は公爵が娘イリーナに与えられた。見栄えもせず、嫁ぎ先を見つけるのが難しいようなイリーナは、これらの品を身に着けたとたん、他の人間を魅了する力を手に入れ王ミルナティウスに求婚される。だが、王の中には火の悪魔が住み着き、夜になるとイリーナをむさぼろうとする。イリーナは祖母から流れるスターリクの血とスターリクの銀で作られた宝飾品の力で、鏡を抜けてスターリクの国に逃れた。イリーナは王に現実に対処しなくてはならないと説得し、対処する方策を考え始めた。一方、ミリアムが拉致された後の家を支えたのはワンダだが、父は、酒のためにワンダを酒屋の息子と結婚させようとする。酒屋はワンダが稼げることに目を付けたのだ。拒否すると父親は怒り狂って殴りかかり、弟のセルゲイとステファンが止めようとしたが、はずみで倒れて死んでしまった。父殺しとしてワンダとステファンは逃亡を決め、幼いステファンをミリアムの両親にあずけた。氷の国で、王を逃れてきたイリーナと出会ったミリアムは、自由を手にするために、王の魔物とスターリンの王をぶつけようと計画を練った。スターリン王を連れ出すために、ミリアムは3日で3つの部屋いっぱいの銀を黄金に変える約束をしたが、それは不可能なチャレンジだった!