小学校から高校までの、実際の先生との出会いを語ったもの。より小さかった小学生や中学生のころの先生の名前はおぼえているのに、高校の先生はちゃんと名前をおぼえていないと言っているところが、妙にリアルな感じがしました。ちょっと変わって孤立していた優等生という屈折したキャラの著者の小中高時代が彷彿とするような内容ではあるが、サラリとした回想エッセイ的で、実際に自分が今校内で先生とかかわっていて切実に何か困ったり、逆に魅力を感じている生徒に寄り添う、というよりはやはり「思い出」風なところがちょっと物足りなかった。伊藤さんならもっとすごいことを期待してしまうせいかもしれないが!