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色どろぼうをさがして

 

 12歳のイジーは、最近親友だったルーとの仲が悪化している。急にオシャレで派手になってきたルー。でも、変わったのはイジーだとルーは言う。そうかもしれない、あの交通事故から混乱しているから。昏睡状態から目覚めないママ。そして悪夢がイジーを悩ます。謎の男が毎回夢に出てきて、その夢をみるたびにママが描いてくれたくれた壁の絵から色が消えていく。ルーにかわって隣の席になったフランクや、隣の家に引っ越してきた車いすの男の子トビーとの友情に助けられながら、しだいに立ち直っていくイジー。夢の中の男の謎解きは、ちょっとサスペンス風。見守る先生や、おばさんたちなどがしっかりしている。日本だったら「いつまでもくよくよしないで」とか「つらいことがあるからといって周りに迷惑をかけてはいけません」とまず言いそうなのに、やったことは悪くても辛いことはわかってる。いつでも相談しなさいと言い続ける姿勢はさすがイギリス。トビーとかできすぎかな、とは思うが辛い子どもたちがこんなふうに守られたら良いと思う。