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ぼくだけに見えるジェシカ

 

ぼくにだけ見えるジェシカ (児童書)

ぼくにだけ見えるジェシカ (児童書)

 

男の子なのにファッションやドレスづくりに興味がある、というのでクラスで浮いているフランシスは、絶対に誰にもじゃまされない真冬の校庭でランチを食べていた。彼のの前に現れたジェシカは、極寒の中ノースリーブ! なんと彼女は幽霊。これまで自分を見える人は誰もいなかったという。ファッションセンスのある彼女と意気投合したフランシスは、彼女と毎日を楽しく過ごすが、母親から見たらずっと独りぼっち! 隣にひっこしてきた子と無理に仲良くさせようと誘った。だが、その子はマッチョな女の子。話を聞いたら友だちをぶちのめして転校する羽目になったという。母親は慌てるが、そのアンディにもなぜかジェシカが見えたため、二人は急接近。さらにフランシスのおかげで、アンディがまじめに学校に行くようになったことに感激したアンディのママのおしゃべりのでいで、フランシスは引きこもりのローランドと会って欲しいと頼まれてしまった。太っているせいでからかわれ、引きこもりのゲームオタクのローランド。ところが、まさか彼にもジェシカが見えた! いったいこの3人はなぜジェシカが見えるのか? ジェシカは自分がなぜ死んだのか覚えていないという。3人はすっかり仲良くなり、ジェシカの死の謎にも迫ろうとする。ミステリアスな展開、共通性がない3人に生まれる友情、クラスで起こるイジメ、深刻な部分もユーモアも交えてテンポよく描いている。自分を受け入れていくフランシスの変化がとても魅力的。