児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ミッドナイトギャングの世界へようこそ

 

 トムはクリケットのボールが頭に当たって気絶、病院に緊急入院となった。メチャクチャ不気味な用務員のおじさんに運ばれて、小児科に行くと、超厳しい看護師長がみんなを監視していた。ところが、真夜中になると、みんなはうまく看護師長を眠らせてどこかに行く。これは絶対に一緒に行きたい! 手足を折ってギブスをつけているけど一番気が強い女の子アンバーをリーダーに、目の手術で現在は見えないロビン、扁桃腺手術のジョージの3人組はミッドナイトギャング。でも抗癌剤治療で弱っているサリーはおいてけぼり。トムは、なんとか仲間に潜り込む。あの不気味な用務員さんは、実は味方で、子どもたちが自分の夢をかなえるのがミッドナイトギャングの任務だった。軽症ですぐ退院させられそうになったトムは新米で頼りない医者のルパース先生をまんまとだましてそのまま入院に成功。厳しい学校に戻りたくないし、自分を置いて手紙もくれない両親は世界中をとびまわっていてどこにいるかもよくわからない。それより新しい仲間と遊びたい。だけど、ジョージの夢をかなえようとして見つかってしまい、用務員さんはクビに、トムもすぐに退院させられそうになった。だけど最後に集中治療室に入れられてしまったサリーの夢だけはかなえてあげたい。みんなは最後のミッションに挑む。
作者はロアルド・ダールのファンとか。確かにとてもダールっぽいドタバタ調の作品。残念なのは解決がご都合主義な感じのところかな。ダールだったら、このままブラックに突っ切るかもだけど、円満にまとめました。それが悪いわけではないけれど、同時にダールに及ばないところかもです。