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空とぶ船とゆかいななかまーウクライナのむかしばなし

 

空とぶ船とゆかいななかま―ウクライナのむかしばなし
 

「空とぶ船にのってお城に来た者は王女と結婚させる」というおふれに、旅に出た世界一のまぬけ。途中出会ったおじいさんの言うとおりにして、あっという間に空とぶ船を手に入れる。きき耳、ひとっとび、千キロおみとおし、たらふく、ひとくちごっくり、たきぎかつぎ、わらたばだんな、というそれぞれ途方もない技を持った男たちを仲間にしてお城へ。王さまが次々に出す難題を仲間たちの技でうまく切り抜け、めでたく王女様と結婚する。
ウクライナ出身の絵本作家で、お城も質素、牧歌的な印象です。ランサム文、シュルヴィッツ絵の『空とぶ船と世界一のばか』(岩波書店)の方はページ数が1.5倍と文章は多めですが、場面と合っていて良いのと、空とぶ船から見下ろす大地の風景が見開きいっぱいに描かれて雄大です。3番目のばか息子が成功するという昔話の筋も通っています。 (は)